院長ブログ
ダイエットで人気、「αリポ酸」で低血糖症に
(読売新聞より)
ダイエットや老化防止に効果があるとして広く使われているサプリメント「α(アルファ)リポ酸」で、震えや動悸を引き起こす「自発性低血糖症」を招くケースが相次いでいる。
厚生労働省研究班(主任研究者・内潟安子東京女子医大糖尿病センター教授)がまとめた全国調査で、2007年から3年間で少なくとも17件起きていたことがわかり、注意を呼びかけている。
自発性低血糖症は、血糖値を下げる薬を使っているわけではないのに低血糖になるものをいう。重症になると、昏睡状態に陥る。
原因は様々だが、特定の白血球の型を持つ人が、SH基と呼ばれる構造を持つ薬やサプリメントを服用すると、発症しやすい。αリポ酸にもSH基がある。
この白血球の型を持つのは日本人の約8%だが、SH基のある薬やサプリメントによって自発性低血糖症が起きた患者は、9割以上がこの白血球の型を持っていた。
研究班によると、全国の主要病院207施設で、07年から3年間に自発性低血糖症と診断された患者187人のうち、サプリメントとの関連が報告されたのは19人で、うち17人がαリポ酸だった。摂取した量や期間は不明だが、服用を始めてから一、二か月で震えや動悸などの症状が出て、受診するケースが多いという。
内潟教授は「サプリメントは健康増進をうたっているが、使い方によって薬と同じような副作用が起こる恐れがある。異常が起きたらすぐ服用をやめ、受診の際はどんなサプリメントを服用しているかも医師に必ず伝えてほしい」と話す。
◆αリポ酸=ビタミンのように、体内で代謝を助ける働きを持つ補酵素の一つ。もともとは医薬品だが、2004年の基準改正でサプリメントとして売られるようになった。
αリポ酸の抗酸化作用は、ビタミンC、ビタミンEの約400倍と言われ、分子量も小さいので、体中に浸透して抗酸化作用を発揮します。
また、このαリポ酸は、体内では僅かしか生成されませんので、食物やサプリメントから補給するしかありません。
ジャガイモ、ほうれん草、ブロッコリー、トマトなどの野菜やレバーなどに多く含まれています。
アンチエイジング(若返り)を謡うクリニックなどでは、よく宣伝されていますし、市販のサプリメントにも高率に使用されているので、この副作用の頻度からすれば、それほど騒ぎ立てるものではないかと思いますが、サプリメントでも、薬ですから、副作用はないなどと迷信めいた考えではまずいですので、異常を感じたら、疑ってみるということが大事です。