院長ブログ
万有製薬、肺炎球菌の相談窓口を開設
(読売新聞より)
万有製薬は今月から「肺炎球菌感染症コールセンター」(電話0120・66・8910)を開設した。
肺炎球菌は肺炎を起こす細菌の一つで、抗菌薬で治療するが、65歳以上の高齢者や心臓病、腎臓病のある人、ほかの呼吸器病のある人が感染すると重症化しやすい。インフルエンザやかぜにかかった後に、肺炎球菌に2次感染して肺炎を起こすこともある。
肺炎球菌による肺炎を防ぐためには予防接種が有効で、海外では肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンを接種すると、肺炎による死亡率が減少したという報告がある。ただし、日本では費用が7000~8000円程度かかる。公費補助が出る自治体もある。
コールセンターでは、予防接種を受けられる最寄りの医療機関名を個別に教えてくれるほか、肺炎球菌感染症やワクチンについての基礎知識を音声で説明する。電話から郵送やファクスによる資料請求もできる。来年3月末までの月曜から金曜の祝日を除く9時から17時まで受け付ける。
よしおか内科クリニックでも、もちろん肺炎球菌ワクチンは随時予約にて受け付けており、実施しております。
肺炎球菌には80種類以上の型がありますが、肺炎球菌ワクチンを接種しておけば、そのうちで感染する機会の多い23種類の型に対して免疫をつけることができます。これらの23種類の型で、すべての肺炎球菌による感染症の8割ぐらいを占めています。
1回の接種で23の型ほとんどに対し、有効レベル以上の免疫ができます。この免疫はよく持続して5年以上続きます。
肺炎は抗生物質などの薬の進歩と医療技術の向上により、かなりよく治療できるようになりました。しかし、高齢者の方にとっては、肺炎はいまだに怖い病気です。特に心臓や呼吸器に慢性疾患のある方、腎不全、肝機能障害、糖尿病のある方などでは、肺炎などの感染症にかかりやすく、病状も重くなる傾向があります。米国では、政府機関である疾患防疫センター(CDC)などより同様の方々に対して肺炎球菌ワクチンの接種が勧告されております。
日本においてペニシリンなどの抗生物質が効きにくい肺炎球菌の頻度は1980年代後半より増加し、現在、臨床で分離される肺炎球菌の30~50%を占めているといわれており、肺炎が急速に症状が進んだ場合、抗生物質などによる治療が間に合わないこともあり、危険です。
インフルエンザワクチンは11月に入ってからの接種でも十分間に合いますので、気になる方は一度ご相談下さいませ。