投稿日:2008年6月24日|カテゴリ:院長ブログ
 (HealthDay News より)

   大腸菌(E. coli)毒素を含有する皮膚パッチ剤が旅行者の下痢予防に有効であることが示され、英医学誌「The Lancet」6月14日号に掲載された。

 旅行者の下痢の主な原因は、汚染された飲食物を通じた大腸菌の摂取である。毎年、成人2,700万人、小児2億1,000万人が大腸菌による下痢にかかっており、38万人の小児が死亡している。旅行者の下痢は通常4~5日続き、吐き気、嘔吐、痙攣(けいれん)性腹痛および脱水症を伴う。

 パッチ剤を開発した米IOMAI社(メリーランド州)のGregory Glenn氏によると、米国人が「グアテマラやメキシコに旅行すると、50%の確率で下痢になる」という。これまで下痢を予防するワクチンというものは存在せず、今回の知見は極めて大きな躍進だという。このワクチンが効果を示すには2回の投与が必要で、外国に渡航する2週間前に投与するのが最も効果的だと同氏はいう。

 今回の第II相試験では、メキシコまたはグアテマラへの旅行を予定している178人に、ワクチンまたはプラセボ(偽薬)の皮膚パッチ貼付群に無作為に割り付けた。その結果、プラセボ群111人中24人が下痢になり、このうち11人が大腸菌による下痢であった。ワクチン群では59人中12人が下痢になったが、大腸菌による下痢は3人にとどまった。

 中等度から重度の下痢になった比率は、プラセボ群では21%であったのに対しワクチン群では5%であり、これは皮膚パッチ型ワクチンの有効率が75%であることを意味する。さらに、重度の下痢になったのはプラセボ群11%に対しワクチン群では2%で、重度のグループでの有効率は84%という結果であった。また、プラセボ群では下痢が2日以上続いたのに対して、ワクチン群では半日程度と短いこともわかった。

 研究グループによると、このワクチンの有効成分は、経口、経鼻、注射投与では毒性が強すぎるため、皮膚パッチによる投与が適しているという。今後さらに大規模な第III相試験を実施する必要があるが、2011年までに市販できることを目指しているとGlenn氏は述べている。別の専門家は、保管や投与が容易で耐容性も極めて高いこの皮膚パッチは、旅行者の下痢予防に大きな前進をもたらすものであり、下痢性疾患の予防ワクチンの今後の開発に新たな扉を開くものだと述べている。







 渡航中や渡航後に併発する下痢は、ウイルス性胃腸炎や細菌性胃腸炎、また、疲れストレスによる過敏性腸炎などで起こってくるといえますが、東南アジアなどに旅行すればまず、発症すると言えるでしょう。 
 大腸菌による下痢の場合、毒素によるものですから、脱水の心配があるものの、あまり下痢止めを使用出来ないということもあり、このような画期的な予防方法があれば、重症化させずにすむと言えるでしょう。
 2週間前からワクチンを実施しないと効果が得にくいのは他のワクチンも同様なので、今後、日本でも使用できるようになれば、知識として知っておかれるほうがよいでしょうね~ラッキー

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