投稿日:2008年2月20日|カテゴリ:院長ブログ
実はヨード液を薄めてうがいをしても、風邪の予防にはならないことが無作為割付試験で明らかになっています。

 
 京大保健管理センター所長の川村孝氏らは2002年から03年の冬、全国18地域のボランティア387人を「水うがい群」「ヨードうがい群」「うがい介入なし群」の3群に割り付け、2カ月間にわたって、風邪の発症を追跡。発症の有無は、症状のグレードをスコア化することで、客観的に判断しました。

 結果は、うがい励行の介入をしなかった群と比較して、水うがい群で風邪の発症者が40%減少したのに対し、ヨードうがい群では有意な減少は見られませんでした。

 
 ウイルスは感染時、強固に細胞の受容体と結合し、30分程度で細胞内に侵入、増殖段階に入るため、いくらうがい液で粘膜表面からウイルスを洗い流したとしても、その効果は限定的だと考えられます。

 これについて川村氏は「ハウスダスト由来のプロテアーゼがインフルエンザウイルスの感染を促進するという報告があり(Akaike T. J Infect Dis.1994;170:1023-6.)、うがいによってウイルスを流し去るのではなく、感染を促進するプロテアーゼを洗い流している可能性がある」と説明しています。


 一方、水道水で効果がありながら、ヨード液で効果がなくなったことに対しては、ヨード液が粘膜の常在菌叢を破壊したためか、粘膜を構成する細胞が傷害され、水道水と比べて感染が成立しやすくなったのではないかと川村氏は考察しています。


 うがいは室町時代の文献に記述があるほど古来からの文化で、語源は長良川の「鵜飼」。日本固有の風習で米国や隣の韓国ですら行われていません。そのため、日本人はヨード液が効かないことを驚きますが、外国人は水うがいに風邪の予防効果があることの方が衝撃的なようです。


 インフルエンザにしろ、はしかにしろ、まずは手洗い、うがいが重要で、免疫力を落とさないよう注意されることが肝要です!ラッキー

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