投稿日:2016年9月6日|カテゴリ:院長ブログ

最近、はしかの集団感染が話題になり、ワクチンの問い合わせが増えてきています。

人間というのは、不測の事態が起こると急に慌ててしまうものですが、のど元過ぎれば忘れてしまいがちです。

日本では基本的には定期接種になったことで、国内の麻疹はほぼ終息してしまっているのですが、ときどき海外からもちこまれては、

免疫的に低下してしまっている人の間で流行してしまいます。

小児のころに接種したワクチンで抗体が15年もすればやはり低下してきてしまいますから、今の日本のようにほとんど麻疹ウイルスに出会うことがなければ、

抗体が強化されることがなく、弱まってしまうのがほとんどでしょう。まして、ワクチン接種していなかった、あるいは接種していても1回だけですませていたということであれば、

抗体価は非常に少ないと考えておくべきだと思います。

はしか(麻疹)ウイルスはインフルエンザなどの飛沫感染や、その他の接触感染するウイルスと違い、空気感染します。空気感染というのは、乾いてしまうと感染力がなくなるウイルスと違い、

乾燥してどこまでも浮遊し、かなり遠いところまで飛んで行っても感染させることが出来るということです。ですから関空などで、そこを通り過ぎただけで、周囲にいた多くの人が感染してしまう、

直接そばに居なくても感染させることが出来てしまう、それが、感染力が強いという意味なのです。

基本、風邪症状のようなカタル期と言われるときに強い感染力を示します。その後、いったん熱が下がってから、再び発熱する二峰性発熱を起こし、そこから体幹から全身に広がる湿疹が始まります。

ですから、はしか(麻疹)と診断がつくころには、かなり感染を広めてしまう危険性が高いのです。

多くは、自然に回復するわけですが、インフルエンザ同様、一部に人には、肺炎、脳炎などの重症化、特にやっかいなのは、何年も経過したのちに出現・進行する亜急性硬化性全脳炎という

予後不良な疾患です。それらはワクチン接種してちゃんと免疫をつけていれば防げていたものだけに後悔してもしきれません。

日本では定期接種となっている以上、ある程度予防できますが、抗体価が落ちてきている世代には、定期的に海外から持ち込まれるウイルスの恐怖に脅かされることになるわけです。

流行が去ると、喉元過ぎればで、また忘れたころに、流行が始まり、またパニックになるというパターンです。

また、一時的に急に皆さんがワクチンを求めると、かならず品薄状態になるわけですから、いったん終息したころにちゃんとワクチンを1回は受けておく、あるいは抗体価を検査して、免疫がちゃんとあるかどうか

把握しておくことが重要です。 案の定、現在は品薄状態で、ときどきワクチンが入荷されては、予約されている方から徐々に接種出来ている現状です。

不測の事態に備えること、これは災害に対する心構えと同じです。備えあれば、余裕が生まれ、パニックをさけることができ、他者への気配りも出来るというものです。

 

台風が毎週のように発生し、各地で甚大な被害が出ている昨今だからこそ、いろんな事態を想定し、備えをすることを心に留めておきたいものです。

 

秋の花、タマスダレ が至る所で咲いています。

 

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よくみると、ほんとうに綺麗な花です。

 

 

 

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