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院長ブログ

季節性インフルエンザワクチン接種はやはり有用です!

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 (メディカルトリビューン記事より) 

生ワクチンと不活化ワクチンで同様の抗体反応

〔米メリーランド州ベセズダ〕小児に対して承認されている季節性インフルエンザワクチンには鼻腔噴霧用の三価生ワクチン(LAIV)と,注射用の三価不活化ワクチン(TIV)の2種類がある(生後24カ月以上の小児にはLAIV,生後6カ月以上の小児にはTIV)。セントルイス大学(ミズーリ州セントルイス)ワクチン・治療評価ユニット(VTEU)のDaniel F. Hoft博士らは「2回の接種をいずれのワクチンで行うかについて試験を実施し,4通りのいずれの方法でも抗体反応は同等であることが分かった」とJournal of Infectious Diseases(2011; 204: 845-853)に発表した。LAIVを1回以上接種された小児では,幅広いT細胞が産生されることも明らかとなり,同博士らは「これはワクチンが幅広いインフルエンザウイルス株に予防効果を持つために重要」と説明している。

6~35カ月の小児53例で試験

 インフルエンザワクチンは,小児に対して“初回免疫”と“追加免疫”の計2回接種する。1回目の初回刺激は免疫系に望ましい抗体反応を誘発するために,2回目の増強はこの免疫反応をさらに促進するために行う。

 今回の研究は,米国立衛生研究所(NIH)の一部である米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)が支援する複数のVTEUで実施された。NIAIDのAnthony S. Fauci所長は「季節性インフルエンザによる重度の合併症は,小児に極めて有害な影響を及ぼすことがある」と指摘。「今回初めて,小児に対する季節性インフルエンザワクチン接種で,“初回免疫”と“追加免疫”で異なるタイプのワクチンを使用しても,適合する季節性インフルエンザ株に対して十分な予防効果が得られることが示された」と今回の研究を評価している。

 同大学感染症・アレルギー・免疫学部門の責任者でもあるHoft博士らは今回,2005~06年と2006~07年のインフルエンザ流行期に,生後6~35カ月の小児53例を対象に試験を実施。これらの小児はインフルエンザワクチンの接種をそれまでに受けたことがなかった。同博士らは,参加小児をほぼ同数の4群に分け,1群には適合するTIVを2回注射し,別の1群には適合するLAIVを2回投与した。他の2群では,LAIVとTIVを1回ずつ順序を変えて接種した。

 同博士は「インフルエンザワクチン接種を受けたことのない小児には,十分な免疫が付与されるよう,TIVかLAIVを2回接種することが推奨されている。臨床試験によるデータが得られていなかったため,これまでTIVとLAIVを1回ずつ接種することは推奨されていなかった。しかし,ワクチンの入手可能状況などにより,実際にはこうした接種が時々行われている」と説明している。

抗体反応は4群で同等

 試験の結果,4通りの接種パターンはいずれも安全で,誘導された抗体レベルも同等であることが明らかになった。しかし,免疫系のT細胞については明確な差が認められ,TIVのみを接種された小児ではインフルエンザに特異的なT細胞が検出されなかったのに対し,LAIVを1回以上接種された小児では,3種の重要なT細胞が顕著に増加していた。

 Hoft博士によると,小児でLAIVによるインフルエンザ予防効果がTIVより高いことは,以前の試験でも示されていた。しかし,季節性インフルエンザウイルスへの曝露がほとんどない小児で,LAIVが誘発するT細胞反応を検討した試験はこれまでほとんどなかった。T細胞反応がワクチンによるものか,インフルエンザウイルスへの自然曝露によるものかは,小児の年齢が増すと判別が困難になるが,今回の対象は全員3歳未満であったため,同博士らは,検出された3種のT細胞の急激な増加はワクチンによる効果であることを確信することができた。

24カ月未満の小児ではTIV,LAIVの順が最善

 LAIVの接種を1回のみ受けた小児のT細胞レベルは,同ワクチンの接種を2回受けた小児と同等であった。また,2種のワクチンを接種したときのT細胞反応の大きさに,接種順序による有意差は認められなかった。しかし,年少の小児ではLAIVの接種で喘鳴が発現することがあり,今回の結果から生後24カ月未満の小児では1回目はTIV,2回目はLAIVを接種するのが最善の治療方針となりうることが示唆された。Hoft博士は「大規模試験でこうした治療方針の安全性と有効性を確認する必要がある」と付け加えている。

 インフルエンザウイルスに感染させた培養細胞を用いた別の一連の研究で,LAIVは多くのインフルエンザウイルスに共通の遺伝子配列を認識するT細胞を誘導する一方,TIVにはそのような性質はないことが示されている。同博士は「流行するウイルス株に合わせて毎年接種する必要がある現在のインフルエンザワクチンとは対照的に,複数のウイルス株に共通のウイルス部位を標的にした広範なT細胞反応を誘導するワクチンでは,多くの,またはすべてのウイルス株に対する予防効果が,何十年も継続して得られる可能性がある」と指摘している。

 これは、インフルエンザ生ワクチンが認められている、米国での話題ですが、、、

液性免疫である抗体は、現行の不活化ワクチンでも効果が得られるという証拠と、細胞性免疫であるTリンパ球細胞反応も活性化する生ワクチンは、複数のインフルエンザにとどまらず、幅広いウイルスで、免疫を発揮する可能性があると推察します。

今回のように、不活化ワクチンと生ワクチンを組み合わせるような接種も、いずれは承認されるでしょうから、それまでは、現行のワクチン接種で、免疫反応を刺激していけばと考えます。

まだまだ10月中旬くらいの気温なので、ワクチン接種にピンと来ておられない方も多いようですが、備えというものは、ことが起こってから慌てるものではありません。

有事を想定して、普段の平和な時に、動いておくものです。

 備えあれば、憂いなし。 

早めに動いておくことが安心につながります。(^-^)

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