投稿日:2011年6月24日|カテゴリ:院長ブログ
(ケアネットニュースより)

 免疫不全状態にない市中肺炎患者の治療では、抗菌薬に補助療法としてデキサメサゾンを追加すると、入院日数が短縮する可能性があることが、オランダ・St Antonius病院(ニューウェハイン)のSabine C A Meijvis氏らの検討で示された。追加に伴い高血糖の頻度が上昇したものの、重篤な有害事象はまれだった。市中肺炎治療の中心は早期診断に基づく適切な抗菌薬療法だが、ワクチンによる予防治療の導入や抗菌薬の進歩にもかかわらず罹患率、死亡率は高いままで、医療コストを押し上げている。補助療法の有効性が示唆されており、デキサメサゾン追加は全身性の炎症を抑制することで肺炎の早期消退をもたらす可能性があるが、抗菌薬への追加のベネフィットは不明だという。Lancet誌2011年6月11日号(オンライン版2011年6月1日号)掲載の報告。
.デキサメサゾン追加の入院期間短縮効果を評価するプラセボ対照無作為化試験

研究グループは、市中肺炎患者の入院期間に及ぼすデキサメサゾン追加の効果を評価するプラセボ対照無作為化試験を実施した。

オランダの2つの教育病院の救急外来を受診し、市中肺炎と診断された18歳以上の患者が、デキサメサゾン(5mg/日)あるいはプラセボを入院後4日間静注する群に無作為に割り付けられた。

免疫不全状態の患者、迅速なICUへの搬送を要する患者、すでに副腎皮質ステロイドや免疫抑制薬の投与を受けている患者は除外した。主要評価項目は入院期間であった。

入院期間中央値が1日短縮、高血糖が高頻度に発現

2007年11月~2010年9月までに304例が登録され、デキサメサゾン群に151例(男性56%、平均年齢64.5歳)が、プラセボ群には153例(同:57%、62.8歳)が割り付けられた。304例中143例(47%)は肺炎重症度指数(pneumonia severity index:PSI)でクラス4~5の患者であった(デキサメサゾン群79例、プラセボ群64例)。

入院期間中央値は、デキサメサゾン群が6.5日(IQR:5.0~9.0)と、プラセボ群の7.5日(同:5.3~11.5)に比べ有意に短縮した(p=0.0480)。

院内死亡や重篤な有害事象はまれで、両群間に差は認めなかった。重複感染がデキサメサゾン群の7例(5%)、プラセボ群の5例(3%)にみられた(p=0.54)。デキサメサゾンによると考えられる胃穿孔が1例(第3日目)に認められた。高血糖が、デキサメサゾン群で44%(67/151例)と、プラセボ群の23%(35/153例)に比べ有意に高頻度にみられた(p<0.0001)。

著者は、「免疫不全状態にない市中肺炎患者の治療では、抗菌薬にデキサメサゾンを追加することで、入院期間を短縮できる可能性がある」と結論している。









 肺炎などで組織での炎症が、細胞障害を引き起こし、治癒を遷延させてしまう。 これは、免疫の過剰反応であり、ウイルス性気管支炎や、喘息などのアレルギー反応も然り、、、要は、この過剰な免疫反応が、かえって組織を傷害してしまう理屈を熟知し、抗菌薬、抗ウイルス薬の投与に、ステロイド薬の絶妙な適量投与が、治癒を速やかにさせることを理解しなければならない。
 ステロイド=悪であるという誤解を説明し、適切・適量なステロイド投与が、感染性疾患に良い効果をもたらすことを啓蒙していかなければならない。
 それは、長期、漫然なステロイド投与とは全く違う反応を示すのです。

 しかし、このステロイド=悪とする誤解は、ステロイドの適正使用をしたこともない医師により、さらに強固なものにされているということを知らなければなりません。

 何事も、さじ加減、絶妙な調節、コントロールなのです。





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