投稿日:2008年10月18日|カテゴリ:院長ブログ
(NIKKEI NETより)

妊娠後期の妊婦を対象としたバングラデシュでの研究

 乳児と妊婦は、インフルエンザに罹患すると深刻な転帰をたどる危険性が高い。妊婦については、WHOが2005年から不活化ワクチンの接種を推奨しているが、インフルエンザによる死亡率が最も高い生後6カ月未満の乳児については、接種が承認されていないのが現状だ。

 そこで、バングラデシュ国際下痢症研究センターのKazi Ruksana Zaman氏らは、妊娠後期の妊婦に対するワクチン接種が、出生児に及ぼす臨床効果を検証。妊婦へのワクチン接種により、出生児の生後6カ月未満のインフルエンザ罹患率が63%低減することを示した。







 生後6ヵ月未満でも、インフルエンザに罹患することは稀ではなく、罹患した場合には、肺炎などの重い合併症を生じて入院を必要とする可能性があります。
 インフルエンザは感染力が強力ですから、家庭内感染は高率に生じます。

 乳幼児の場合、非常に稀ですが、インフルエンザ脳症を生じることもありますので、高熱などのインフルエンザを疑わせる症状が現われた場合には、できるだけ早めに小児科を受診してください。

 近年、インフルエンザの治療に、抗インフルエンザウイルス薬が使用されることが多くなって来ましたが、1歳未満児に対しては、安全性・有効性が未確認であり、使用は認可されていません。これは、単に、日本国内で認可されていないというレベルのものではなく、世界のどの国においても、1歳未満児に対しては、安全性・有効性が未確認であり、使用は認可されていません。1歳未満児に対して抗インフルエンザウイルス薬を投与するためには、安全性・有効性を確認するための臨床試験の実施が不可欠ですが、残念ながら、現在のところ、そのような臨床試験は実施されておりません。

 つまり、現状では、1歳未満児がインフルエンザに罹患した場合、抗インフルエンザウイルス薬は投与できませんので、対症療法で、自然治癒を待つ以外にないのです。なお、インフルエンザの最良の対策は、流行前のワクチン接種です。

 生後6ヵ月以上であればインフルエンザワクチンの接種が奨められますが、生後6ヵ月未満ではワクチンの免疫効果が得られにくいため通常は接種を行いません。また、乳幼児では、若い成人などに比べて、インフルエンザワクチンの効果が弱いため、接種を受けていても罹患する可能性があります。

 したがって、乳幼児のいる家庭では、ご家族全員でインフルエンザワクチンの接種を受け、家庭内にインフルエンザを持ち込まないようにすることが、非常に重要なのです。

 インフルエンザワクチンの効果は、接種後すぐには得られません。通常、1ヶ月間隔で2回接種した場合、2回目の接種完了後、2週間経って、ようやく、十分な効果が得られます。

 今シーズンは、是非、11月あたままでに1回目、12月までに2回目の、インフルエンザワクチン接種を受けるよう、計画を立てましょう。 ラッキー

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